■ 今までにない力


《要塞の覚醒者ルナ・アレグリア》は本当に素晴らしい
重たい使用条件と引き換えに、ゲームへ大規模な影響力を持ちうるカードは数多い。だがその中でもこのクリーチャーの素晴らしさは格別だと思うのだ
覚醒させるためには3体の小型クリーチャーとパワー5000のサイキッククリーチャーという、他の行動のついでで手軽に相手に対処されるような布陣で場を固めるという苦行を強いられ、覚醒前の能力もデッキを確認するだけで盤面構築の手助けはしてくれない
最早このクリーチャーでブン殴ること自体が壮大な贅沢*1であり、壮絶な無駄である。実に素晴らしい

■どちらかのプレイヤーがクリーチャーを召喚した時または呪文を唱えた時、カードを1枚引いてもよい。


能力のほうもエレガントだ。ただドローするだけのこの能力は大規模広域破壊を引き起こす他の重量級に比べると地味に思われるかもしれないが‥‥考えてもみてほしい
呪文を唱える、クリーチャーを召喚する――ゲームを形作るほとんどのアクションで手札が増える能力
そして手札とはイコール知識である*2
一度この能力が機能し始めれば、1,2ターンのうちに自分の場には思うがままの軍勢が展開されているだろう
これはゲームを支配するにも等しい行為であり、そこにあるのは"完全"になろうとする意思だ
無限にも等しい手札から"完全"を創出する行為――これを芸術と言わずして何と言おう。そう 《要塞の覚醒者ルナ・アレグリア》こそデュエルの中に作品を産み出そうとする芸術家なのだ
無駄とさえ感じられる覚醒条件も全ては芸術のため*3
ああ素晴らしい
我々もこの芸術家に敬意を表し、自己を磨いて協力するべきではないだろうか、ドロー時の指芸あたりから始めるのがグッド

*1:その貧弱布陣を維持できる時点で勝ちはほぼ決まっている

*2:例:《エナジー・ライト》《サイバー・ブレイン》のフレーバー・テキスト

*3:無駄と芸術は表裏一体だなどということは今更論ずるまでもない